第4章 夢の国ウェディング
その夜は、予定通り、西谷家で晩飯。
ことの顛末を話すと、
ノヤ夫婦も大騒ぎしてくれた。
『で、龍、もちろんOKって、
ちゃんと返事、してきたんだろーな?』
『いや、それがさ、
返事書いて車降りた時は、
もう、あのちびっこ、いなくて…
来週、集荷に行った時こそ、
なんとかして、ぜってー渡すから。』
『は?!お前、バカか?
手紙一通渡すのに一週間かかるって江戸時代か?!
仮にもお前、宅急便屋だろ?!
配達のプロじゃねーか!』
『で、でも、用がねーんだよ?どーしたら…』
『とにかく、行くんだよ!
用事なんかどーにでもなるだろ?
日にちを勘違いして来ちまった、とか
昨日、何か落とし物をした、とか
適当に理由つけて行きゃいいじゃん!』
…ノヤっさん、頭いいなぁ!…
結局俺は、集荷日を間違えたことにして
翌日もあの場所に行き、
またまた運良くそこにいた
あのちびっこを経由して
『連絡、待ってます』と書いたメモを
渡すことができた。