第14章 祝福の拍手
(エピローグ)
『なぁなぁ、旭、なんで今日は
烏養さん、あっちのテーブルなんだ?』
『山口と奥さん、
バレーで知り合ったからだろ。』
『じゃ、今日は烏養さん、
町内会チームのゲストってことですね。』
『だろな。ちなみに新婦は噂では、
烏養さんの元カノらしいぞ…』
『え?旭、それ、マジか?山口、やるなぁ!』
『でも、それって、
烏養さん的には大丈夫なんすか?』
『さぁ…俺も詳しくは知んねーけど。』
本日の新郎新婦は
バレーボールがご縁で出会ったそうで、
多くのバレーボール関係者が
ゲストとしてお越しになりました。
"ひまわりのような人"と
新郎様がおっしゃっていた新婦様。
会場はそのイメージをテーマカラーに
黄色やオレンジ、黄緑色といった
ビタミンカラーをふんだんに使って、
華やかで明るくフレッシュな雰囲気。
元気な方が多いお客様にも
ピッタリと似合っています。
チームのアイドルの心を射止めた新郎様は
仲間からの手荒い祝福も送られつつ、
披露宴は賑やかに。
『よ、お前ら、飲んでるか?』
『あ…』
『う、烏養さん…』
『う、うっす…』
『なんだよ、みんなして気ぃ使った顔しやがって。
あ、東峰、お前がいらねー話したんだろ?
そーだよ、あいつは俺の元カノだよ。
でもハッキリ言っとくが、
俺と別れた後に
アイツらつきあい始めたんだから、
俺は別に何のわだかまりもねーぞ。
お前らも、俺に気ぃ使ったりしねーで
ちゃんと祝福してやれよ!』
『烏養さん、マジ、かっちょいいっす!』
『いやいや、カッコいいのは山口だろ。
見ろよ、早瀬のあの笑顔。
俺じゃアイツに、
あんな顔、させてやれなかっただろーな…』