第13章 嫁ぎの紅(べに)
『アキ、前にも言ったけど。』
こういう時のおかーさん、迫力ある…
『人間、生まれてから死ぬまで
やることはみんな同じなの。
違うのは、誰と出会うか。
おとーさんとおかーさんが出会って
この世に産み出した自信作のアキが
翔ちゃんといういい男に巡り会えたのよ。。
こんな貴重な出会いの積み重なりを
つまらないひがみなんかで手放したら、
おかーさん、許さないからねっ!』
…あれ?
あたし今、怒られてる?なんで?
『ってことで、その練習試合、いつなの?
全日本との練習ってことは、
翔ちゃんだけじゃなくて
及川王子にも会えるってことでしょ?
絶対、仕事、休まなきゃ…』
『…あの、おかーさん、
ただのミーハーになってるよ?』
『いいのよ、おかーさん、独身なんだから。
翔ちゃんはもうアキのものだし。
トキメクくらい、自由にさせてちょーだい!』
…なんだかわかんないけど、
日向君のこと、
絶対、手放さないようにしなくっちゃ、
って思った。
おかーさん、
わかりにくい言葉だったけど(笑)
結局、励ましてくれたんだよね?
ありがと。