第13章 嫁ぎの紅(べに)
母の解説によると、
日向君の所属する
"ゼブラビバレッジ"というチームは
若い選手が多く、
ここ数年でぐーんと
実力も人気もあがってきた
注目のチームなんだそうだ。
対する今日の相手チームは、
バレーに疎い私でも知っている
有名強豪チーム、ヨントリーシャイニング。
ヨントリーには、木兎光太郎という
スター選手がいることもあってか、
館内の応援は、
なんとなくヨントリー寄りな感じ…
試合前の練習が始まり、
選手がコートに入る。
日向君は、すぐにわかった。
飛び抜けて、小さいから(笑)
…こんな、巨人の森みたいな中で
日向君、どうやって闘うのよ?…
バレーそのものより
そっちに興味が湧いたところで
試合が始まった。
日向君は、ベンチスタートだった。
試合が始まると、
ヨントリーが次々と決め、
見る間に点差が開いていく。
木兎選手は、やっぱり華があるなぁ。
バレーに興味がない私にも、
その、人を惹き付ける不思議な魅力は
眩しいほどで…
むしろ、
木兎選手のファンになりそう、と思った時。
『きゃあっ、翔ちゃ~ん!!』
…隣から、母の
聞いたことないような黄色い声が(驚)
選手交代で、
日向君がコートに入るらしい。