第13章 嫁ぎの紅(べに)
職場の同期の
縁下君の結婚式に行ったんだ。
ガーデンパーティー、楽しかった!
バルーンリリースがあってね、
風船って、いつも、
飛ばさないように気を付けるじゃない?
でも、一斉に空に飛んでいくとキレイなのね!!
なんか、
こっちまで幸せな気持ちになったなぁ。
そのあと、そのままガーデンで
パーティーだったんだけど、
リリースの時の風船が1つ、
木にひっかかってたのよね。
それを子供達が見つけて、
なんとかして取ろうと、
木の下でピョンピョン飛ぶんだけど、
もちろん届かなくて。
『取ってあげたいけど、
私もチビだから無理だなぁ…』
と思いながら遠くからみてたら、
小さな影が
ちょっと遠くから走ってきて。
びっくりした。
すっごくキレイなジャンプで
その風船を取ってね、
子供の手に結んであげてた。
逆光だったから、
どんな人だったか、見えなかったけど…
本当にキレイなジャンプ。
鳥が羽ばたいたように見えたの。
背中に翼が生えたみたいに。
…私、少し、酔ってたのかな…