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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第12章 1年後のガーデンパーティー



笑ったあとにふと訪れた、
静かな時間。

二人ともしばらく黙って
海をみていた。

…雪乃さん、なにを考えてるんだろう…

俺は、
スガさんの結婚式の日のことを
思い出していた。

雪乃さん、まだスガさんのこと、
ふっきれてないのかな?

…俺は、スガさんの代わりには、なれない。
でも、スガさんは、雪乃さんを
幸せにしてあげることは出来ないんだから。

今はまだ、
"友達"に近い存在かもしれないけど、
雪乃さんに、ちゃんと
『俺』を『男』として
みてもらえるようにならなきゃな。

『ねぇ、雪乃。』

『なに?』

『お願いがある。』

『ん?』

『キスだけ、させて。ちょっとだけ。』

『…』

『キスはさ、痛くないし、怖くないよ。』

『…ん…』


あの日、桜の花びらを取った時から
正真正銘、指一本触れずに
今日まで来た。

本当は抱き締めたいけど、
それはまた、ゆっくり時間をかけて。

今日は、顔だけそっと近付けて、
やさしく唇が触れるだけのキス。

…心臓が、大きく跳ねる。
キスだけで、こんなに。

俺、自分で思ってるよりずっと、
雪乃さんのこと、
欲しいのかもしれないな。

…くぅっ。
わかっててそうしてるわけじゃ
ないんだろうけど、
この、手の届かない感じが、
ますます追いかけたくなる気持ちに
火をつける。

やべーな。
俺、充分、本気だ…

それにしても、
今日は大進歩の1日だった。

…スガさんに、報告したい。
でも、まだ、やめておく。

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