第12章 1年後のガーデンパーティー
『泣き続けるのも、疲れるでしょ?』
『…はい…』
『なんか、飲みますか。』
『…はい…』
カフェコーナーは、明るすぎる。
自販機で飲み物を買って
イルカのショーをするプールへ向かった。
今はショーの時間じゃないから
人は全然、いない。
プールに向かって座ると、
お互いの顔を見なくて済むのが
なんだかありがたい…
『落ち着きましたか?』
『はい、最悪にみっともないところを
見せてしまいました、ごめんなさい。』
『いや、俺は嬉しかったです、頼ってもらえて。』
『…』
『雪乃さんもわかってるんでしょ、
スガさん達が、ちゃんと努力して
ここまでたどり着いたってこと。
簡単に割り込めるもんじゃない、って。
わかってるから泣いたんでしょ?』
『はい。アキは本当に魅力的だから。
美人だし、明るいし、努力家だし…
コーシ君にぴったり。
私なんかじゃコーシ君に似合わないって
わかってます…』
『うーん、その言葉は、
半分認めるけど半分認められないですね。
スガさんとアキさんは確かにお似合いです。
でも雪乃さんは、
"私なんか"っていうほど残念な人じゃない。』
『残念な女ですよ。
18で自分の人生終わらせた、バカな女…』
『そういうことを平気で言うところは
確かに残念ですね。でも、女性としては
アキさんとは違う魅力がたくさんあるって、
俺は思いますよ。』
『…でも、"幸せになるチャンス"、
やっぱり使えなかった…』