第12章 1年後のガーデンパーティー
それからは、
打ち合わせのあとは、
時間が早くても
俺が家まで送っていくようになった。
雪乃さんは相変わらず後部座席に座るけど、
運転席まで聞こえる声で、
世間話するくらいの間柄にはなってきている。
話してみると、
至って普通の女性で…
いや、むしろ
控え目さは誠実さとも言えるし、
時々見せる俯きがちな笑顔は
上品で奥ゆかしい美しさに見える。
きっとこの人は、
あんなことさえなかったら
きっといい保育士になっていただろうし、
いい奥さん、
いいお母さんになってたんだろうな。
…それにしても。
なんだろう。
なんだろうな、
俺の中にひっかかる、
この、小骨のような違和感。