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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第10章 公開プロポーズ




夜景で有名という展望台は
山の上にあるらしい。

ケーブルカーで山を登っていく。
都会では考えられないような
坂の町の風景。
まるで外国に来たような気分。

ケーブルカーの終点からさらに歩くと
そこは、展望台…
というか、
エレベーターもついている
四階建ての大きなタワーだった。

人の流れについていく。
4階…到着したかと思ったら、
展望台は、さらに外にあるようで、
扉を開いて外に出る。


『…わぁっ!!』


そこは、

タワーを360度ぐるりと取り囲んだ、
想像していたよりずっと広い、
大きな大きな展望台だった。


ちょうど、日が暮れ始めた。
冷たい風が吹いている。
その風が雲を動かして空気を洗い、

これだけの人がいるというのに
その気配を消して、
清々しい雰囲気を作り出す。


『アキ、人が多いから、はぐれるなよ。』

光太郎が手を繋いで
コートのポケットに入れてくれた。
二人で、ゆっくりと歩く。

景色の片側は、
山にはりつくように家が並ぶ町の風景。
そこからぐるっと反対側までまわると
海と島に沈む夕陽。

ごった返す人並みも気にならないくらい
見飽きない風景だ。

『あ、そーだ、アキ、
そーいえばさ、足元にいっぱい、
ランプが埋まってるじゃん。
この中に1個だけハート型があって
それを見つけたら幸せになれるんだって。
どっちが先に見つけるか、競争しようぜ。

俺、向こうから探すから、
アキは、こっち側からな。

よーし、そんじゃ、スタート!』

…いつものように勝手にスタートさせて
勝手に駆け出す光太郎。
あっという間に
タワーの反対側に消えていく。

『一人にしないでよ!』
…と思う気持ちより、
競争と名のつくものにおいて
光太郎に負けたくない、
と思ってしまう私。

"幸せになれるハート型のランプ"

足元からひとつひとつ、
探すことにした。


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