第10章 公開プロポーズ
『アキ、あのさ、すっげー申し訳ねーんだけど、
今度のお前の誕生日、
俺、実家に帰んなきゃいけねーんだ。
初めて一緒に過ごす誕生日なのに、
ホント、申し訳ねぇ。』
…イベント好きな光太郎と過ごす
初めての誕生日を
密かに楽しみにしていた私。
一瞬、ガッカリしたのが正直な気持ちだ。
『珍しいね、光太郎がお祝いの日にいないなんて。』
『まっじで、ゴメン。
でも、どーしてもこの日ははずせねぇんだ。
その分、絶対、埋め合わせするから。』
訳がわかんないけど、
いつもの軽い調子とは違う…
ということは、なんとなく伝わってくる。
『うん、わかった。
埋め合わせしてくれるんだったら、許してあげよー。』
『ありがとなっ!やっぱアキはいい女だ!
でも、誕生日に一人にすんのは
あまりにも申し訳ないからさ、
俺の代わりに、赤葦、置いてく。』
『は?』
『あ、でも、飯までにしとけよ。
赤葦はきっと、俺より寝技、ヘタだぞ。』
『ばっかじゃないの(笑)』