第2章 スペシャルウェディング
(エピローグ)
今日の新郎新婦様は
当館の10周年企画に当選されたお客様。
この会場の記念となる
10年に一組の特別なお客様です。
『なんか、すみません…』
『控えめでいいんです…』
そんな言葉を繰り返す
遠慮がちなお二人のために
私たちスタッフも心を込めて
晴れの日のお手伝いさせて頂きます。
『なんだよ~、月島、また欠席?
ホントにあいつ、つきあい悪いなぁ。』
『違うよ、ひなた。
ツッキーは出席するつもりだったんだよ。
でも、急にイタリアに出張になって。』
『イタリア~?!』
『そうだよ、
ツッキーはイタリア語もペラペラだからね!』
『だから、なんで山口が自慢気なんだよ!』
『しかし、旭に先を越されるとはなぁ。
あいつ、あの大きな体で
脅迫プロポーズしたんじゃないだろな?』
『てか、大地、これ見てみ!
“新郎から見た新婦のイメージ➡たんぽぽ“だって!
あの旭の口から“たんぽぽ♥“って言葉が
出るとこ想像したら…
お、俺、もう、笑い死にしそうだべ…』
『ノヤっさん、今日は
奥さんも一緒に出席じゃねーのか?』
『龍、よくぞ聞いてくれた!
実は今っ、コレなんだよっ!!』
『えーっっっ!
ノヤっさんとこ、もう二人目IN~っ?!』
『おい、入場みたいだぞ、お前ら静かにしろ。』
『あ、烏養さん、烏養さんはまだ独身で…』
『だからお前ら、マジうるせ〰っ。』