第8章 小さな小さな披露宴
『寂しい、ですよね。』
『お店に出てる間はそうでもないんです。
でも、お客さんが帰ると…
急に一人ぼっちになった気がして。』
『まだ、一年ですから。』
『特に今日は、この一年のことを
いろいろと思い出してしまって…』
『…あの、俺、今夜、そばにいましょうか?』
『…』
『いやいやその、ヘンな意味じゃなくて(焦)
誰か話し相手がいた方が気が紛れるかな、と
思ったもんですから…』
『……いていただけませんか?』
『いますいます。朝までいますよ。』
『いえ、あの…
抱いて、いただけませんか?』
え?
え?!
俺、聞き間違えた?
妄想しすぎ?
『…いえ、すみません、私ったら…
聞かなかったことにして下さい。』
ということは、やっぱり、聴き違え…
じゃないってことか?!