第27章 ウェディングプランナー
ビーチでみんなで過ごす時間は
本当に楽しくて名残惜しかったけど…
子供たちが眠くなる時間がきたので、
解散することにした。
俺とアキは、チャペルに戻って
二人だけの写真撮影をしてもらい、
そして夢のようなひとときは終わる。
まぁちゃんは、
途中で迎えに来た夏希のお母さんに
預かってもらい、
この後、久々に四人で"ランコントル"で
打ち上げをすることにした。
そのためには、まず、着替え。
アキと夏希、
そして、まだシャッターを切り続ける
花巻さんの奥さんは、
控え室に戻る道のりを
楽しそうに、先へ先へと歩いていく。
少し離れてその後ろをついていく、
俺と夜っ久ん。
『おい早瀬、せっかくなんだから
クロにエスコー…』
『いいって、夜っ久ん。』
『いいのか?久しぶりに会ったうえに
せっかくのタキシードとドレス姿だぞ?
なのに別々に歩くなんてさぁ。』
『今思えば、俺とアキってさ、
いっつも、歩くスピード、バラバラ。』
『そうなのか?』
『あぁ。でも、いいんだ。
それぞれ、自分のスピードでいい。
つまずいた時にはそばに行くし、
迷いそうになったり、
心が揺れてる時は、
ちゃんと手を繋ぐから。
…向かう方向さえ一緒なら、いい。』
『俺と夏希とは、全然、違うな。』
『そうそう。
だから俺は、夏希とは友達だけど
女としては意識しないし、』
『俺は早瀬を最高の仕事仲間だと思うけど、
全く女を感じない、ってわけか。
…クロと早瀬、似合うのか?って思ってたけど
いいパートナーなんだな。』
『そーいうこと。
女の好み、全く違うからさ、
俺、夜っ久んと一生、友達でいられるよ。』
『だな。お互い様だ(笑)』
アキと夏希の後ろ姿を見ながら、
多分、俺も夜っ久んも、
同じ事を考えてたと思う。
…これからは、
"家族"としてつきあっていこうな。
子供同士も、
俺たちみたいに
いい友達になれたらいいな、って。
やっと、
同じスタートラインに立てたよ。
これからも、ずっと、よろしく!