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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



6月。
ジューンブライドの季節。
…実は日本のブライダルのオフシーズン(笑)…

たまたまではあるけれど、
まさか自分が
ジューンブライドになるとは
思いもしなかった。

最後の出勤の日の夜、
夜久君の尽力と会社の計らいで
お客様の予定のない時間に
チャペルを使って、
私と黒尾さんの写真撮影をさせてもらう。

衣装は何度も
夏希ちゃんと見に行ったんだけど
自分で選ぶものは、
どれも私には地味すぎるらしい。

『そういうシンプルなのは、
グラマーで派手な人が着るから似合うんだよ!』

…とか、さんざん言われ、
結局、
衣装部のみんなと夏希ちゃんに決めてもらった。

おしゃれで美人さんが多い衣装部のみんな。
私にとってはすごくキラキラした部署で…

そんなみんなが
私のことをあれこれ考え、
キャーキャー言いながら
ドレスを選んでくれたのが本当に嬉しかった。

友達、ではないかもしれないけど、
東京の、大事な仲間。


ネイリストのSさんは、
ネイルチップをプレゼントしてくれた。
…本当は、ちゃんとお手入れして
爪ごとデザインしてもらった方が
いいんだろうけど、
私の性格では、一回きりになるのは
目に見えてるから(笑)

『凜とした早瀬ちゃんのイメージで
白のフレンチネイルにしたよ。
で、ここだけ花嫁さんらしく…』

と、左手の薬指にだけ
3Dの小さな花がたくさんデザインされたチップは
あまりにキレイで。
…撮影が終わったら、大切に部屋に飾ろう。

ヘアメイクとか小物とか、
そういうのは、
花巻さんにお任せ。

写真のポーズも場所も、
花巻さんの奥さまにお任せ。

…こうやっていうと、
なんだかやる気がないみたい?

違う。
私は、ここのスタッフを信頼してるから。


私のことを
私よりよく知っていて

みんな結婚式のプロで

誰に対しても、
…それが私のような身内のスタッフでも…
100%の仕事をしてくれる、と信頼しているから。

だから
安心してその日は
みんなのいいなりになろうと決めていた。

いつもここでは
黒いスーツを着て
アリのようだった私が

みんなの手で
一瞬だけ、白鳥になる。

それを黒尾さんに見てもらえるのが、

ホントは嬉しくて。

…私にも、ほんの少しでいいから、
"花嫁の輝きの魔法"が、かかりますように…


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