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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



三連休の翌日、出社したらすぐ、
夜久君につかまった。
…覚悟はしてた。
ゆうべ、黒尾さんから電話があったから。

『結婚することと妊娠してること、
夜っ久んと夏希には話したからな。
ギリギリまで精一杯頑張ってから
こっそり辞めようなんて思うなよ?!

体、絶対、無理するな。
俺、近くにいてやれないからさ。
心配させんじゃねーぞ!』

…って。

そしたら案の定、
事務所の裏に呼び出しだ。

『ゆうべ、クロから電話があったよ。
俺も夏希もびっくりしすぎた。』

『…ごめん。隠してたわけじゃないけど
なんか、言うタイミングがね…』

『いいけどさ。…辞めるんだってな。』

『うん。それも、ごめん。
本当は黒尾さんが転勤する前に、
結婚して一緒に向こうに行こう、って
言ってくれてたんだけど…
私が仕事続けたくて、ワガママ言って
遠距離にしてもらってたから。』

『子供出来たんだったらそれがいい。
…絶対、無理すんなよ。
クロにも言われてっから。
頑張りすぎないように見張っとけ、って。』

『黒尾さんより厳しそう(笑)』

『主将の指示に従ってこそ、チーム。
クロがいてこその音駒だからな!』

おかしくて、笑う。
夜久君が優しく思えるのはなんでだろ。

みんな黒尾さんのことが大好きなんだな。
…黒尾さん、もしかしたら
仲間の前で、結婚式したかった?
ちょっと、申し訳ない気持ちになる。

私はたくさん結婚式を見てきたし
そんなに友達もいないから、簡単に
『しなくていいや』って思ってたけど、

黒尾さんは友達、たくさんいるし、
一生に一度のことだもんね…

『…いつまでいる?』

『今から退職願いを出して
上と話し合って決めるけど…
引き継ぎとか休みの処理とか
繁忙期考えたら、5月は無理かな?
6月に入った頃を目標に、って感じ。』

『ならさ、』

夜久君が、私に言う。

『最終日、夕方から来いよ。』

『なんで?』

『クロの希望。二人で写真だけは撮ろう、って。』

『写真?』

『チャペルでドレス着て。』

『…やだ。』

『なんでだよ?』

『…恥ずかしいもん。今さら。
30過ぎてるし髪短いし貧乳だし。』

『お前さ、』

いつもなら
ガミガミ言いそうな夜久君だけど、
今日は違った。

優しい、声。

お父さんみたいな、
お兄ちゃんみたいな。

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