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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



結局、アキは
うちに二泊した。

その間、何度話し合っても

『結婚式より、1日も早く二人で暮らしたい。
私は、ドレスってキャラじゃない。
もう、仕事も辞めるから、いい。』

の一点張りだったアキ。
コイツが頑固なのは
俺もよーく知ってるから…
とりあえずその話は諦めた。

ただし。

『な、夜っ久んと夏希には言うぞ?』

『…それは、黒尾さんに任せます。』

と、それだけは納得させて。

(女の子が産まれたことをこの時、聞いた。
うん、よかった、よかった!)

アキは、

『有休振休の処理とか、引き継ぎとかあるから…
6月頃にはこっちに来れるように頑張りますね。』

…と言って、東京へ戻っていった。

突然、やってきて。
突然、プロポーズして。
突然、結婚式はしない、と言って。

つきあい始めるまで、
じれったいほどジワジワと
心の距離を縮め、

つきあい始めてからは
仕事の合間にお互いをゆっくり知り、

遠距離恋愛で離れていた間に
グンと覚悟を決めて生き方を変え、

そして、今日、この急展開。
この加速っぷりといったら…
俺自身も驚いてるくらいだ。

夜っ久んが聞いたら、
どんだけビビるだろ?

『なんで今まで内緒にしてたんだよ?!』

…くらいの文句は覚悟しねーと…

それにしても。

やっぱり世の中には

来るべき"バランスとタイミング"が
あるんだな、と、思うわけで。

仕事の異動と子供が
同じタイミングでやってきたのは
アキの"覚悟"の行動あってのことだ。

これから彼女の人生に関わっていく俺としては
そのバランスを壊さないようにしてやりたい、と
思うのだけど、


それにしたって、


あんなに結婚式の仕事が好きな彼女に

"自分の結婚式"の想い出を
残してやれないって…

俺、どうよ?

そして、
先のことは分からないにしても、

彼女が今まで心を込めて積み上げてきた
プランナーとしてのキャリアが
『自分の結婚』という理由で絶たれることが
あってもいいものだろうか?

…例えそれが
"俺や子供が一番大事"という
アキ自身が決めた
優先順位の結果だったとしても。

夜っ久んが言っていたという通り、
何かを手にいれるためには
何かを手離さなくてはならないことも
確かにあると、思うけど。

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