第7章 メモリアルフォトアルバム
…制服で過ごした場所に
ドレスとタキシードでいる不思議な感覚も、
出来上がった写真を見たら、
違和感なく受け入れられた。
撮影が始まる前は
『俺、及川みたいなモデルみてーなポーズとか、
恥ずかしくて出来ねーけど…』
と思っていたけど、
ビシッとポーズを決めてる写真は1枚もなく、
どの写真も、すごく自然体だ。
俺、アキの前では
こんな嬉しそうな顔、してるんだな。
撮影に行くたび、
3年間、毎日見ていたはずの風景が
こんなにも絵になるものだったのだと
初めて知った。
もう、絶対に戻らない時間。
でも、絶対に消えることのない時間。
アキやバレー部の仲間と
ここで過ごした3年という日々が
どんなに特別に輝いていたのかを実感する。