第7章 メモリアルフォトアルバム
春。
桜色の柔らかいドレスを着たアキと
シルバーのタキシードの俺。
学校前の桜並木を、自転車を押して歩く。
昼休みによく学校を抜け出して昼飯を食べた、
近くの公園の芝生の上でのランチ風景。
あの頃は売店のパンをよく食べたっけ。
今日は、撮影用にアキが作った弁当だ。
夏。
飾りが少なくてスリムなラインの
軽やかなウェディングドレス姿のアキと
白いタキシードの俺。
夏休みの学校に撮影許可をもらって
学校内でたくさん撮影。
告白した校舎裏では、手を繋いで内緒話する姿を。
教室では、机を向かい合わせにしてみたり
黒板に、いっぱい落書きしてみたり。
試験前に焦って勉強した図書館。
授業をサボった時の隠れ場だった屋上。
俺が学校生活の大半を過ごした体育館では
バレーボールを使って。
美術室では、デッサンするアキを
後ろから覗きこむ俺。
…そして、大事な思い出、二人のキスシーン。
秋。
夕焼けによく映える、赤いドレスのアキに
チェック柄のベストが珍しい、
デザインタキシードの俺。
夕方の堤防をに自転車を止めて、空を見上げる。
近くの公園で、落ち葉を投げ合いながら歩く。
なかなか話が尽きなくて
いつも遠回りした橋の上には長い影がのびる。
冬。
雪のようなふんわりとした
ウェディングドレス姿のアキと
黒いタキシードの俺。
ポケットに手をいれて、二人で歩く。
学校の近くで肉まんを一個買って、
半分こして食べる帰り道。
じゃんけんで負けた方が
熱いコーヒーをおごる約束をしてた自販機。
今日は、俺が負けた(笑)