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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



動けない私のところにやってきて

『久しぶり、だな。』

と声をかけてくれて、
そして、

いきなり

ギュッ

と、抱き締められて
…息が出来ないくらいギュッと…

頭の上から

『すっげー、会いたかった。』

と言葉がふってきて
呼吸が止まりそうで
スーッと息を吸ったら、

夏らしい爽やかな香りが
鼻から全身にまわり、

もう、この10秒だけで
致死量に達してしまうような
甘さMAXの恋人モードにパニくる私。

嬉しくて嬉しくてたまらない。
のに、つい。

『黒尾さん、人前、人前ですから、』

と暴れそうになる私をハグからはずすと

『何?人に見られたら困ること、ある?』

…と、真顔で聞いてくる。

『な、ないですけど…』

『あれ?会いたかったの、俺だけ?』

『そんなことない!私も会いたかった!』

『俺のこと、嫌い?』

『大好きです!』

出た。ニヤリ顔。

『ほら、両想い。だったら、いいじゃん。』

また、ギュッ。
…うん、もう、いいや。
だって、嬉しいもん。


私も、
黒尾さんも、
人前で堂々と愛せる人と恋したかった。
だから、それを満喫するための旅。

そこからは、
会わなかった5ヶ月を充電するように
ずっと手を繋いでいた。

もう、知ってる人に会うこともない。
たくさんいるカップルの一組。

…生まれて初めて、
こんなに誰かに甘えてるかもしれない。

私、自分は
甘えかたと愛され方を
どっかに落として生まれてきた、
そう思ってたんだけど、

違うんだね。

甘えたり
愛されたり、の"プラグ"が合う人に
今まで、出逢わなかっただけなんだ。

好き嫌い、だけではない
相性、というものがとっても大事で

それは、旅行に来ると、よくわかる。

私は、
あんまりキッチリ決めて行動するより、
その時の気分で行動を決めたいタイプ。
これが合わない人と旅行に行くと、
もう、気を使うわ、
やりたいことは出来ないわ、で
お互い、却って疲れてしまう。
…だから私は、単独行動派、なのだけど。

とっても嬉しいことに、
黒尾さんも、
自由行動を楽しめる人みたいで。

私たちの初めての旅行は、
宿だけ(黒尾さんが決めてくれた。)しか
決まりごとのない、
フリーダムな二泊三日。

初めての二人旅、だけど
"頑張らない"時間を過ごせそうで
本当に、楽しみで仕方ない。


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