第27章 ウェディングプランナー

店を出る。
角を曲がる時に振り返ると、
ちょうど、店の灯りが消えた。

ポケットに手を突っ込んで
また、この道を一人で歩く。

長い１日だった。
いろんなことが変わった。

トーコの旦那に、
勢いで
『今日は記念日だから』
…と言ったけど

確かに、ある意味、
"記念日"になった。

終わりと始まり、
両方の、記念日。

記念日は、
境目の日。

今までは
面倒だと思っていた、
知らない世界を覗いてみたい。

今までは
充分だと思っていた、
新しい自分を見てみたい。

新しい世界を、
新しい自分を、

今までは
興味だと思っていた、
珍獣(笑)…いや、彼女と、見てみたい。

俺の扉をこじ開けてくれた彼女と。

今度は俺が、
彼女の扉を、開ける番。