• テキストサイズ

ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第27章 ウェディングプランナー



『…さてと、どうすっか。』

一人になった俺。

今から誰かを誘う気分でもねぇけど、

何せここは
これから宝石箱のように輝く銀座。
一人でぼんやりする場所じゃない。

『…とりあえず、行くか。』

預かった5合瓶を届けるのが
取り急ぎ、俺がやるべきことだと思い、
おでん屋に向かった。

『こんばんわ…あれ、まだ仕込み中?』

『おぉ、黒尾さんか。
バカ言うな、ちゃんと暖簾、出てるだろ?
やってんのに客がいねーんだよ。』

『いつ来てもヒマそうだなぁ。』

『黒尾さんがくる日に限って、だ。
もしかしてあんた、貧乏神か?!
…ま、座んなよ。』

いつも通り、カウンターに座る。

『大将、これ、この間の酔い潰れ娘から。
迷惑かけたお詫びだって。』

『ほぉ…』

瓶を取りだし、マジマジと見て。

『酒飲みのこと、よくわかってるなぁ。
…直接持ってきてくれたら、もっと
おいしく頂けんのによ。』

『忙しいんだってさ。』

『ホントか?ケンカしたんじゃねーの?』

『ケンカするほど、親しくねぇし。
…な、大将、それ、俺にもちょっと飲ませて。』

『いいけど…
黒尾さんは多分、あんまり好きじゃねぇぞ?』

グラスに注がれたお湯割りは、
確かに俺がいつも飲むのより、
ずっとクセが強くてまったり。

『な?いつものにしときな。』

『いや、この分だけは飲みきる。』

他に客がいないのをいいことに
大将と、男同士の話が止まらない。

『なぁ、黒尾さん、
"置いてかないで"の理由、聞いたか?』

…もちろん、詳しいことは話さないけど。

『不誠実な男に騙されてたんだって。
…その前は、結婚するかわりに
仕事を辞めろ、って言われて別れたらしい。
ちょっと、男性不信、というか。』

『そぅかぁ。
そんで、男と違って裏切らない仕事に
生きてく覚悟したって感じか。』

『うん。』

『慰めてやった?』

『それが、慰め方がわかんなくて。』

『なに言ってんだ。
ギューッと抱き締めて
ガッと押し倒して、バリッと破いて
ガバッと開いて、だな…』

『大将、高校生じゃねーんだから(笑)』

『…そりゃそうだけどよ。
遠慮してたら距離は縮まらねぇし、
慰めらんねーだろ?』

『慰めんの、俺?』

『他に誰がいんだよ?』

『…新しい、恋人?』

『それがいるなら世話ねぇわけだけどなぁ。』

/ 1378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp