第27章 ウェディングプランナー
部屋に入る。
話すこともない。
なんとなくお互いに上着を脱いで。
『シャワー、浴びるよな?』
『私、後でいいです。先、どうぞ。』
『わかった。じゃ、先に。』
…勢いよく噴き出すお湯を頭から浴びると
少しだけ、思考が働き始めた。
キスもせず、
手も繋がないで、
どうやって抱こうか?
いきなり脱がせて胸に食らいつく?
いきなり押し倒して脚を開かせる?
いきなり突き出してしゃぶらせる?
そんなことを考えている自分に
…ゾッとした。
俺、いつからこんな鬼になった?
確かに今、俺、どん底モードだ。
でも、だからって、
何でもしていいわけじゃねぇ。
どうしたい?
どうすれば気が済む?
犯したいのか?
相手は誰でもいいのか?
突っ込めりゃ、
出せりゃ、
なんでもいいのか?
それで埋められるもんなのか?
自分の気持ちをごまかして
どこまで堕っこちるつもりだ?
シャワーの中、
びしょ濡れになりながら考える。
人を傷つけてまで
自分の弱さから
目を背けたいか?
一番、足りてないことは、なんだ?
一番、欲しいものは、なんだ?