第25章 ~恋ネコ⑤~ 雨降りプロポーズ
(エピローグ)
『…なんだ、こりゃ?』
『あ、クロ、これ見んの初めて?
これ、犬岡のプロポーズ。
トラが撮影したのをYoo TUBEに
アップしたら結構な視聴数になってさ。
トラ、調子にのって"ゼクチィ"の
"プロポーズ大作戦コンテスト"に 応募したら
"雨降りプロポーズ賞"もらったんだって。』
『なんだ、その賞の名前。笑える。』
『だよな。でも、楽しそうだろ?』
『犬岡って、こんな社交的だったっけ?』
『人懐こさでは芝山以上かも。』
『何がすげーって、
こんだけの人がみんな犬岡のプロポーズを
一緒に楽しんでんのがすげーじゃん。
普通、プロポーズって、
人前でするもんじゃねーだろ?
なんだ、もう、イベントじゃねーか。』
『トラは"出し物"って言ってたから。』
『…忘年会か(笑)披露宴も賑やかだろな。』
『…あとは…研磨とクロだね。』
『あ、悪いけど、研磨も俺も、
夜っ久んの売り上げには貢献できそうにねーわ。』
『研磨、披露宴、しないんだ。』
『相変わらず、目立ちたくないらしい。』
『今でも?』
『おぉ。
プロポーズも、代わりに俺がしたくらいだから。』
『"クロの恋のレスキュー隊"は
マジで頼りになるもんなぁ。』
『研磨は、特別。
…てか、それ、夜っ久んが言うか?!』
『…俺は別に、クロを勧めたわけじゃないから。
クロは頼りになるよ、ってアドバイスしただけ(笑)
でさ、ク』
『やーーっっ君。俺の心配は無用デス!』
『違うよ、クロの心配は諦めた(笑)
それより、ほら、例の、監督のさ…』
『なんか、諦めたって言われると
それはそれで寂しいな。
ちょっとだけ、俺の心配もしてくんね?』
『なんだ、それ。甘えんぼーか?!(笑)』
~恋ネコ⑤ 雨降りプロポーズ 完~