第14章 フライングハロウィン*アラン*
週に数回、公務として組まれている馬術の時間。
「馬ときちんと呼吸合わせろよ。無理に言うこと聞かせようとしても無駄だからな。」
一生を誓った彼も、この時ばかりは馬術の先生として手厳しく指導してくれる。
「そろそろ時間だな。…ほら。」
ふっと笑みを浮かべて、差し伸べられた手に甘えて馬から降りる。
「アラン、今日もありがとう。」
「別にお礼言うことじゃないだろ。…お前頑張ってるし、教え甲斐がある。」
ぶっきらぼうな言葉の合間に見える優しさと、そのまま繋がれた手から彼の愛を感じるなんて言い過ぎかな?
また「バカじゃねぇの?」って言われそうだから、口にはしないでおこう。
「アラン次の公務まで時間ある?ユーリにお茶用意してもらうから、ちょっと休憩しない?」
「ああ、そうする。」