第12章 姫を看病*ユーリ*
また今日も朝を迎えた。
カーテンが開かれ、眩しい光が部屋の中に射し込んだ。
「様、朝だよ。起きて?」
優しい呼び掛けの後に、頬に彼の唇が触れ、私はゆっくりと目を開けた。
「…おはよ、ユーリ。」
「おはよう、様。」
体をベッドから起こした私に、隣に腰かけていたユーリが今度は優しく唇を重ねてくれた。
唇が離れて見つめあった時に、ユーリは何かに気付いた様子で首を傾げた。
「どうしたの?」
「様、何か顔色悪くない?大丈夫?」
寝起きでぼんやりはしているけど、今のところ特に変わった様子はない、
「うん、何ともないよ。」
「ならいいんだけど…。何かあったらすぐに言ってね。」
少し不安げな表情を浮かばせながらも、ユーリは部屋を出ていった。