第11章 Shall we dance?*ルイ
「、背筋伸ばして。また背中丸まってるよ。」
「あっ…!ごめんなさい…。」
来週末に控えた隣国同士の交流を深める目的で開かれる舞踏会。
つまりは、ウィスタリアにとって重要な外交の場になる。
そこで失礼のないように、ダンスのレッスンを強化してもらっている。
ルイのダンスレッスンは本当に厳しい。
だけどアドバイスは的確だし、彼は絶対にお世辞を言わない。
逆に、上手く出来た時はちゃんと褒めてくれる。
だから、私は信頼してレッスンも頑張れる。
「、もうこのステップ覚えたの?」
ルイは少し目を見開いて、私の足元に視線を落とした。
前回のレッスンの時にルイに教えてもらった少し難しいステップ。
実はユーリやアランに付き合ってもらって何度も練習した。
「ちゃんと出来てた?練習してみたんだけど…やっぱだめ?」
「褒めたつもりなんだけど…。よく頑張ったね。」
私を見つめる彼の視線はいつもよりも優しく、柔らかく、私の心を弾ませた。
一人前のプリンセスとして認められる自分になりたい。
彼に素敵な女性だと思ってもらいたい。
隣であの笑顔をもっと見ていたい。
この気持ちが何なのか、私はもうわかってる。
こんなに頑張れるのは、彼のことが好きだから。