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イケメン王宮*Short Stories

第9章 月の魔力*ゼノ*


表紙の星空の写真に心惹かれて、書斎で何気なく手に取った天文書。

「へぇ…年に数回月がきれいに見える日があるんだ…。」

「月を愛でる風習がある国もあるみたいだね。月には魔力があるなんて言うしね?」

書斎で本を探していたレオが興味深そうに覗きこんできた。

「今年はいつなんだろう…。」

「えっと…一番早いもので明日みたいだよ?」

明日から2日間久しぶりにシュタインへ赴く予定になっている。

ゼノ様も私もそれぞれ公務があるので、時間を見つけてお互いの国に数日滞在するようにしている。

「旦那様と夜空を眺めたら?夜の静かな空気と幻想的な空でいいムードになるんじゃないかな。」
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