第7章 あなたがくれたもの*アラン*ルイ*ユーリ
<アラン×思い出の時を刻む時計>
記憶が戻り、またいつも通りの日常が進んでいく。
私はプリンセスとしての公務、彼は騎士団の団長としてお互いに忙しない時間を過ごしていた。
週に数回だけ、ゆっくり二人で過ごせる夜は貴重な時間。
金色できらきらと輝く時計型のネックレスを眺めながら、私は一つ溜息をついた。
「、どうしたんだよ。」
アランが心配そうに私を見つめ、頭にぽんっと手を置いた。
「…また、針止まらないかな。」
私の何気ない一言に、彼ははぁ?と首を傾げた。
「この前直したばかりだろ?また壊れてほしいのか?」
「ううん、そうことじゃないの。…針が止まって、時間が止まればいいのにな。」
やっぱり中々一緒にいられないのは寂しい。
公務の時、私の隣にいる彼はプリンセスを守る騎士。
ありのままで、ずっと傍にいられたらいいのに。
このまま時間が止まってしまえば、アランと二人でこのまま離れずにいられるのに。
「…まったく。」
彼は私を引き寄せ、その逞しい腕で力強く抱きしめてくれた。
「離れててもいつもお前のこと想ってる。…不安になるな。逆に中々一緒にいられないから、こういう時間は大事だって感じるんじゃねぇの?」
彼の言葉は、私の心をまた前に進めた。
「うん…。そうだね!」
また笑顔を取り戻したのを確認すると、彼は私の顎を持ち上げ唇を奪った。
甘く愛しい口付けに酔いしれていると、ゆっくりと唇が離れた。
「…寂しくならねぇように、何度だって愛してやるよ。」