第6章 愛の証*ルイ*
夜中に部屋の扉をノックする音が響く。
こんな時間に訪れるのはただ一人。
ゆっくりと扉を開くと、彼が私を見て柔らかく微笑んだ。
「ただいま、。」
「お帰りなさい、ルイ!」
扉を閉めると、どちらともなくハグをして、触れるくらいの口づけをする。
こんな嬉しい習慣が出来るなんて。
幸せだな、って実感する。
「先に寝てていいよって言ったのに…。」
確かに、ルイは公務で戻るのが遅くなりそうな時、必ず「遅くなるから、眠たかったら先に寝てていいから。」って言ってくれる。
私を気遣ってくれる優しさには本当に感謝してる。
だけど。
「私が寝ちゃってたらルイが寂しくなっちゃうでしょ?」
「…やっぱりには敵わないな。」
彼の本心はちゃんとわかってるつもり。
彼は悔しそうな言葉とは裏腹に、照れたように顔を少し赤くしてはにかんでいた。