第4章 わがままプリンセス*ユーリ*
ウィスタリアのプリンセスは一日の公務を終え、食事を取り自室へ足を向けた。
執事である俺も彼女に付き添い、部屋へと向かう。
自分の部屋の扉を閉めて、彼女はふぅーっと息を吐き出した。
「…ユーリぃ。」
俺の名前を呼んで、背中に腕を回してぺたりと抱きつくのは俺のご主人様。
そして、俺の大切な人。
「今日も一日お疲れ様、様。」
頭を撫でてあげると、嬉しそうにへにゃりと頬を緩ませる。
「ユーリが入れてくれる美味しい紅茶が飲みたいなぁ…。」
「これから準備するから少し時間かかっちゃうよ?」
「…おねがい。」
あぁ、もう。
甘えたように囁く魔法の言葉。
小首を傾げてにこっと笑っておねだりするこの仕草。
可愛くて愛しくてたまらない。