第3章 うたたね*ルイ*
「そういう顔は外でしないでほしい。」
「そういう顔って?」
きょとんとして小首を傾げるに、ルイは顔を近付けて耳元で囁いた。
「真っ赤な顔で恥じらっているのは寝顔を見られたからだけなの?…そんなの他の誰にも見せたくない。」
「…っ!」
耳元の吐息に、はビクンっと反応してしまう。
「…可愛い。」
悪戯っぽくルイはクスッと笑った。
「もう…ルイってば。からかわないで!」
真っ赤になって頬を膨らませるのも、ルイが好きな表情なのはは知らない。
「…そういえばこの本読んでくれてたんだね。」
「うん!まだ途中なんだけど…。ルイがこの本好きなのかなって思って。」
「あれ…?俺、好きって言ってなかったよね?」
「ルイの表情見て、なんとなくね。」
やっぱり彼女には敵わない。
改めてルイは思った。
どちらかというと豊かではない自分の表情から気持ちを読み取れるほど、自分のことを知り、見つめてくれている彼女。
「はやっぱりすごいよ。」
「ルイだってすごいよ?…だっていつも私をドキドキさせるから。」
お互いどちらともなく見つめ合い、ルイはの頬に手を添え、二人は甘い甘い口づけをした。