第1章 あなたしかいない*ルイ*
「もう2週間かぁ…。」
カレンダーを見ながら、執務室でふぅっと一人溜め息をついた。
最後にルイに会ったのは2週間前。
「明日から公務や視察が続くから、中々会えそうにないんだ。」
ルイが瞳に寂しさを浮かべて申し訳なさそうに呟いていた。
「ルイに会えなくなるのはやっぱり寂しいよ…。」
そう口にしたら、「じゃあ会えない分沢山愛してあげる。」って悪戯っぽく微笑んで触れてくれた。
体に咲いていた赤い花も、ルイが触れたぬくもりも、薄れてしまった。
「明日は公爵方をお招きしての舞踏会かぁ…。」
明日の予定を手帳を見ながら確認する。
ウィスタリア振興のために、尽力してくださっている方々をお招きしての親睦を兼ねた舞踏会。
失敗しないようにしなくちゃ。
ルイにも招待状を出してあるけど、来てくれるのかな。
…いつになったら会えるのか。
わからないまま待つのは辛いものだ。