第27章 Birthday Date/アラン*レオ
「ちゃん、あのお店入ろうか。」
そう言って立ち寄ったのは小さなアクセサリーショップだった。
「ここで扱っているアクセサリーが可愛くて好き。」って前に言っていたから。
「レオいいの?レオの誕生日なんだから好きなところ行っていいんだよ?」
心配そうに俺の様子を伺うちゃんを安心させるように頭を撫でた。
「大丈夫。気なんて遣ってないから。ここが俺が来たかったところだよ。」
「…レオは私に甘いと思う。」
「それだけちゃんが大事ってこと。」
もう…と小さく溢して、恥ずかしくなったのか俺から少し離れて店内のアクセサリーを眺め始めた。
どれも繊細で優しく煌めいていて、ちゃんのイメージにぴったりだ。
「ちゃん、何か気になるのあった?」
ショーケースの前に立ち止まることなく歩くちゃんに声をかけた。
「…どれも素敵だな、と思って。」
「じゃあさ、これ付けてくれないかな?」
俺が指したのはキラリと一粒輝くシンプルなネックレス。
取り出してもらってちゃんの首元にあててもらえば、シンプルだからこそその輝きが目に飛び込んできた。
「これ下さい。」
イメージにぴったりハマったネックレスを買おうとすると、ちゃんが目を丸くして制してきた。
「ま…待って、レオ!私がプレゼントもらっちゃうなんて出来ないよ…。」
「俺が選んだものをちゃんに身に付けてほしいんだ。これが俺のしたかったこと。…独占欲かな?」
少し困った顔をしながらも「わかった」と頷くちゃんに、そのネックレスを付けてもらった。
「よく似合ってるよ。」
「ありがとう、レオ。…大事にするね。レオの誕生日なのに申し訳ないなぁ…。」
「昨日たくさんお祝いしてくれたでしょ?だから俺にもお返しさせて?」
君さえいれば、尽くすほど君を想えるから。