第25章 最愛*ルイ*
城へと戻り、セシルははしゃぎ疲れたのか寝室ですやすや夢の中。
眠り姫の髪を撫でていると、入浴を済ませたルイが部屋に入ってきた。
「セシルもう寝たの?」
「うん。…いっぱい遊んで疲れちゃったのかな?でも楽しそうだったし良かった。」
「…そうだね。最近3人で出掛けられなかったしね。」
愛しげにセシルを見つめる眼差しは本当に穏やかで優しくて。
セシルが産まれてから、また彼の見たことない表情が現れた。
その一方で、私は心を弾ませたあの一言について、もっと深く掘り下げてみたかった。
「ねぇ、ルイ?」
「何?」
小首を傾げる彼に、私は勇気を出して尋ねてみた。
「…あの、私が1番好きって本当?」
「…もちろん。セシルは俺たちの大切な娘だけど、はずっと俺のプリンセスだから…。」
そう言って私をそっと自分の方へと抱き寄せた。
久しぶりの彼の温もりに、身を委ねた。
「…おばあちゃんになっても?」
「うん。…俺はずっと側でとセシルを守るから。」
嬉しくて顔を上げれば、彼に顎を指で持ち上げられて、今度は唇から温もりを感じた。
唇が離れて目が合えば、彼の頬が赤くなっているように見えた。
「…久しぶりにに触れたい。」
「…え!?」
「セシルに弟か妹作ってあげる?」
彼は悪戯な笑みを口元に浮かべ、また一つ私にキスを落とした。
いくつになっても、私は貴方に恋してる。
おじいちゃんになっても、貴方はずっと私の王子様だよ。