• テキストサイズ

イケメン王宮*Short Stories

第24章 つかめる赤糸は一本だけ/アラン*ルイ


「プリンセス、貴女の一番の役目をお忘れではないですか?」

ジルは中々次期国王を選出できない私に痺れを切らして、度々眉を寄せては私を急かしていた。

それに加えて、国王陛下のお体の具合もあまり芳しくない状況。

プリンセスとしての使命は勿論重々理解している。

私自身が今の関係を崩してしまうのが恐いだけ。

そんな私の胸中を見透かしているのか、ジルは私に一つの提案をした。

「舞踏会を開催します。そこで貴女のパートナー、つまりは次期国王となる人物を選出してください。公式の場ではありませんが、周知は出来ると思います。」

「え…?」

「心当たりが全くないというわけではないのでしょう?何かしらきっかけがなければ、貴女は踏み出せないみたいですしね。」

確かに、そうだ。

私自身が自分の気持ちをはっきりさせなければ、このままずっと変わらない。

二人からの告白も、私の曖昧な心のせいで答えることが出来なかった。

ずっと側にいて守ってくれる。

優しい眼差しで見つめてくれる。

何気ない会話も楽しくて。

…私はどちらの隣にいたいの?

/ 247ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp