第21章 永遠の片想い*アルバート*
「あなたなら、シュタインの国民からも愛される女王となれますよ。」
「アルバート…。お墨付きをもらえたから、少し自信が出てきた。…ありがとう。」
ふわりと浮かべるその笑顔は、庭園の色鮮やかな花にも負けていない。
どうしてこんな風に出会ってしまったのだろう。
出来ることなら、俺の隣であの笑顔を見せていてほしかった。
どれだけ願っても、この想いは報われない。
「…最後に一つだけ無礼をお許しください。」
「え?」
軽く会釈をし、そっと彼女を自分のもとへと抱き寄せた。
胸元へ顔を埋める彼女には、鼓動の音は聞かれている。
きっと彼女は俺の想いに気付いている。
だからこそ、何も言わずに腕の中に閉じ込められているのだろう。
身体を彼女から離し、レンズ越しに彼女の少し赤くなっている顔を見つめた。
あなたへ伝える最初で最後の想い。
「これからもお二人の幸せをお祈りしていますよ、。」
「ありがとう…。アル…。」
愛する貴女とお慕いする貴方に、永久の幸福を。