第20章 溢れた言葉*ジル*
翌朝、そのまま同じベッドで眠りについていた私が目を覚ますと、腕の中ではまだ瞳を閉じていた。
瞼にそっと唇を落とすと、「ん…」ともぞもぞ身動ぎして、ゆっくりと瞳を開いた。
「おはようございます、。」
声をかけると彼女の微睡んでいた瞳がぱっちりと開き、この状況が飲み込めていない様子を見せた。
「……ジル!?私、昨日どうして……。」
「酔ったあなたをここまで運んだんです。…昨日のあなたは可愛らしかったですよ?」
少し翻弄させるような言い回しをすれば、思ったとおり彼女は動揺を隠せなかった。
「え!?…私何かしましたか?」
「…えぇ。まぁ、昨日あなたを介抱した御礼は、城に戻った後にしっかり頂きますね。…お望み通り、ずっと側にいてさしあげます。」
、気付いていますか?
私も口にしないだけで、あなたと同じ気持ちを胸に秘めていることを。