第15章 「おかえり」が待ってる*アラン*
明日から王族護衛のための3日間の遠征に出る。
夜、の部屋の扉をノックした。
するとパタパタと走る音が近付いてきて、扉が開くと同時に嬉しそうな顔をしたが飛び付いてきた。
「アラン、お帰りなさい!」
俺の背中に腕を回して身体を寄せ、明るい笑顔で見上げてきた。
「ただいま。…お前ちゃんと誰が来たか確認してんのか?知らない奴でも勢いでやりそうだな。」
「し…してるもん。アランの足音は何となくわかるの。」
「はいはい。犬か、お前は。」
「もうっ!すぐそういうこと言うんだから。」
頭をくしゃくしゃと撫でてやると、拗ねて横を向いて俯いていたは悔しそうにこちらを見つめてきた。
待ってくれる人がいることが、こんなに胸を熱くするなんて。
暫くの間、こんな感情は忘れていた。