第2章 また君に恋をする*ルイ*
今朝は笑顔で見送った。
明日は公務もお休みの予定だから、帰ってきたら二人でゆっくり過ごそうね。
なんて、話していた。
だって、こんなことになるなんて思わなかったから。
「、彼が乗った馬車が事故に遭いました。」
ジルの言葉に目の前が真っ暗になった。
落雷に馬が驚き、馬車が転倒してしまったとのこと。
何故か彼の馬車が戻ってきたのに、私は彼の部屋に向かうことを許されなかった。
「…彼は無事なんですか?」
声を震わせながら、ジルに尋ねた。
「幸い、怪我もひどくなく命に別状はないとのことです。…ただ…。」
言葉を続けにくそうに、眉間にシワを寄せているジル。
「貴方のことだけを忘れてしまっているようです。」