第24章 『再・理解』 3
真っ直ぐ。
真っ直ぐ罪を認めされられた。
「そんな君が。この国を使ってもう一度、クセルクセスの二の舞をしようとしている彼らを許すはずがないと、思ったんだ。」
これも賭けだけどね。と僕の肩に手を置いた。
「どうだい。ビーネ・ジプシー君。」
彼は父だ。
僕らジプシー一族の父だ。
もう、これは疑う余地のない物だ。
ビーネ・ジプシーとしてそう思う。
「ヴァン・ホーエンハイムさん。僕は、絶対に賢者の石精製なんて許せません。でも、貴方が悪い訳じゃないのに…。」
「それでも、友人たちの苦しみを無くしてやりたい。そして、これから苦しむことになる人を…。」
「僕は今、この国では死んでいることになっています。自分で言うのも恥ずかしいですが、腕に自信はあります。でも、僕の手には情報がありません。ホーエンハイムさん。僕を貴方の腕にしてください。」
彼は驚いた顔も困った顔もしなかった。
こうなる事を心のどこかで確信していたのかのように。
ぐりぐりと僕の頭を撫でるホーエンハイムさんの掌はマース・ヒューズの掌と同じくらい温かかった。
・・・