第9章 何気ない事で人の心は動かされる
夕日が部屋を照りつけ眩しいこの時間になってもまだ土方さん達は戻らない
近藤さんは後処理が大変なんだろうって言ってたけど、本当かなぁ。
部屋にいても何だか落ち着かない為、私は屯所の外に出てしばらく町を歩き回った
こうしてる間に土方さん達も帰ってくるかもしれないし、攘夷浪士がいつ襲撃してくるかわからないもん、ちゃんと仕事しなきゃ!
「ねーおねぇちゃん、」
1人決心し頷いていると小さな子供に隊服の袖を引っ張られた
『どうしたの?』
迷子だろうか。
「僕の…おまもり一緒に探してくれない?」
『御守り?』
「さっき公園で遊んでた時に走っててどっかに落としちゃったんだ」
そう言うと男の子は目に涙を浮かべた
「どうしよう…母上に貰った…大切なおまもりなのに」
大切な…。
『よし、じゃあその御守り今からお姉ちゃんと一緒に探そっか!』
「ウッ…ヒック…本当?」
『うん。大丈夫、お姉ちゃん物探すの得意だから絶対見つかるよ!』
「…うん!」
まずはこの子が言っていた公園に行ってみようか。
私は男の子の手を取り公園へ向かった