第4章 知り合いは多いと得をする
その後、散らかった部屋の片付けをしていたら何だかんだでいつも通りの時間になってしまい、結局私は会議に遅刻し副長のお説教を食らうことになった
『はぁ…やっぱり朝は苦手だなぁ』
食堂に行き朝食を持って空いてる席に適当に座ると原田隊長と山崎さんに話しかけられた
「よぉ大石、相変わらず朝弱ェなお前」
言いながら目の前の席に座る原田隊長
「結衣ちゃん寝癖ついてるよ…あ、隣いい?」
手で髪の毛を押さえながら山崎さんに頷いた
「しっかしあれだな、本当どんくさいっつーか…何か抜けてるっつーか…そういうとこはお前一番隊行っても変わんねーな」
『そ、そんなことないですよ!私こう見えてもしっかりしてますし…決めるとこはちゃんと決めてますから!』
「寝癖直してから言え」
そう言って笑う原田隊長に少しイラッとしたので彼の好物のプリンを奪った
"俺が最後に残しといたやつ!"と騒ぐ彼をよそに斜め前に座る同じ隊の神山さんに話しかけた
『神山さん、そこの醤油取ってもらえませんか?』
「おや?大石さんじゃないですか!!」
言いながら神山さんは私に近づいてきた
「いつも寝坊してほとんど朝食は皆と食べないのに今日は珍しい!何かあったんスか?」
『いや別に…。それより醤油を…』
「自分ずっと貴女を心配してたッス!まだ若いのに一番隊に配属され沖田隊長にいじめられ沖田隊長にパシられ沖田隊長に…」
『そうですね、だから醤油…』
「自分本当に心配で…貴女が
沖田隊長に惚れてしまうんじゃないかってええ!」
『そっちィイッ!?』
心配ってそっちの心配だったの!?
『だ、大丈夫です…私と沖田隊長は別にそんな恋愛感情とか全然無いんで』
私がそう言うと神山さんは"ですよね!"と言って去って行った
え?何なの。
ていうか…
『醤油取ってって言ったんですけどー!!』
相変わらず神山さんは沖田隊長一筋というか、尊敬の域を超えている気がする
「あ!沖田隊長おはようございます!」
「おー」
去って行ったはずの神山さんの声が聞こえ振り向くと袴姿の沖田隊長がいて、目が合うなり彼はこちらへ近づいてきた
『げ。』
「今げ。つったろィ殺すぞ」
『言ってませんよ、うげっ。って言ったんです』
「いや結衣ちゃんあんま意味変わってないよ」