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短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第61章 空蝉の夏花、誰と見るのか 明星スバル


「………」


私はしばらく黙っていた。


「……………馬鹿スバル」


彼の顔を直視できなかった。





「そう言ってくれるのは、嬉しいけど………恥ずかしい……」





真っ赤になった、顔を見られたくなかった。



「へ?あんず、そんな顔できたの?」


刀の本人はこんなことを言っているけど。



「うううるさい!!私、男の子からのこ、ここ、こ告白とか、初めて、だし!!」

「ええー!?俺、絶対に彼氏いると思ってた!!」

「何よその偏見!!ひどい、ひどいよぉ!!!」


ポカポカとスバルを叩くも大したダメージはないらしく、ごめんごめんと平謝りされて終わってしまった。


「あー、やっと言えた……。ちょースッキリした…。」

「…………………私は、どうしたらいいの…」

「あっはは!!そんな可愛い顔見せてくれて、嬉しいって言ってくれたんだからこれ以上は望まないよ!!」


でも、とスバルは続けた。





「心が決まったら、返事を聞かせて」





そう、耳に囁かれた。


バッと耳を抑えると、スバルはけたけた笑った。


「あんずってコショコショ話の時も嫌な顔してたよねー!まだ耳が弱点なんだ!!」

「はあ!?弱点なんてないし!!うん十年の修行の末身につけた最強点だし!!」

「え、何キャラ?」


スバルがプッ、と吹き出しそれに私が怒る。

花火を横目に、そんなことをしていた。




改めて花火を見だしたのは、昨日と同じで終盤になってからだった。


その頃には大吉くんが流石に起きていて、空に向かって遠吠えをしていた。





アオオオオオオォォーーーン





お前声でかいよ、大吉くん夜も元気だね、なんて話ながら。


恐らく今年最後の花火を見上げていた。





来年、この見上げる花を誰と見ようか。



友達皆とか………………………









それとも、眩しい一等星と見るか。














私の心は、まだ決まらない。

でも……………皆と見るにせよ、来年も花火を見るときは。





スバルの、君の隣にいたい。
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