第48章 おめでとうという大義名分のもと謝罪します 漣ジュン
「あめさん」
息を落ち着かせたジュンくんが汗をぬぐって私の目の前に立つ。
「おめでとうございます。会いたくて、ヘリで来ちゃったんですけど……気持ちが重いとか思わないでくださいねぇ?」
ジュンくんはにっこり笑った。
「………許す……許す、許しちゃう!!ありがとう来てくれて!!何があったかよくわからないけど大阪から来てくれてありがとう!!!」
「で、カフェの予約したんでケーキ食いに行きません?」
「行く行く!!」
「それじゃ「皆でッ!!!」」
ピキッ
茨、凪沙、日和、真緒の動きは速かった
「閣下!!本日はお疲れでしょうマッサージを予約しましたあ!!」
「わ、わー良いなあ!!僕も行くよ!!」
「俺も俺も!肩凝りがひどくてさあ!!!」
「………行こう………可及的速やかに」
先ほどようやく二キロ走りきったEdenの三人は、気力を振り絞って走っていた。
真緒曰く、「アイドルの顔じゃなかった」
とのことです。
「いーなーマッサージ………。でも、ケーキの方がずっといいや!!二人で行こっか!」
「もちろんっすよ」
二人は仲良く手をつなぎゆっくり………
じゃない!!
「こら!!他校の生徒が勝手に出入りするな!しかも私服じゃないか!!」
「わ、わあー敬人さん厳しいー!!ていうか何でばれたの~!?騒がしくしすぎた!?」
「あめさんのためなら、十キロだって走りますよ!!逃げましょう!!」
「オッケー!目指せ最高の誕生日だ~!!!!」
やけになり、生徒会から逃げる二人を……
あめが飛び降りると言っていた屋上から白衣をなびかせる彼がいた。
(ボクからの選別だヨ、子猫ちゃン………HAPPY BIRTHDAY、よい一年ヲ……)
生徒会に追われる二人を見届けた夏目は、べッと舌を出した。
(簡単にはいかせないけどネ)