第44章 明日ハレバレ良い日和 巴日和
おまけ
日和は英智とカフェから別れたあと、あんずに電話していた。さすがに学習したので直接会わず電話だ。
『…………もしもし』
電話にも出てくれなかったら…と思っていたので、ひとまずホッとする。
「あんずちゃん、英智くんから聞いたよ。ごめんね……もう無理に会いに行ったりしないから…許してね。」
あんなことを記事に書かれたのに、日和のせいにもせずじっと我慢していたのだ。これくらいでは許してはもらえないだろうが、直接会えない今はこれが精一杯だ。
『…………あの人が…』
「言われるまで全然気づかなかった…本当にごめん。」
『あなたが謝ることないと思いますけど』
驚くほどにアッサリとした返事だった。電話越しにあんずのため息が聞こえた。
『言わないでって釘指したら良かったなあ…。あ、ていうか…最近あの人すごく体調悪そうじゃないですか?顔とか真っ青なんですよ。私のこと聞いたってことは会ったんですよね?大丈夫そうでしたか?』
「あー…………うん……まだ…本調子じゃないかもね」
『やっぱり………。』
日和は何だか面白くない気持ちになった。
そりゃそうだ。自分の彼女が事情がどうであれ他の男のことばかり話すのだから。
「英智くんと今の問題どっちが大事なの!?」
少しイラついた声になったが仕方ないと思う。あんずはそれに気づいたのか、黙りこんだ。
「…………………あのね、あんずちゃん。」
日和は何とか怒りを押さえ……ようとしたができずに大声で話した。
「この問題のことは100%僕の非を認めるよ!でも英智くんのことばっかりだと今度会ったときひどいからね!!」
『…………ひどいって…』
「それはまず君を僕が……」
『話さなくて良いです。』
ちなみに、この電話をしているときジュンが隣にいてお茶を飲んでいたのだがそれを盛大に吹き出している。
お茶で濡れたジュンを無視して、日和はムスッとして電話を切った。
ジュンはあ、これめんどくさいパターンだと頭を抱えた。