• テキストサイズ

短編集…あんさんぶるスターズ!【あんスタ】

第41章 君は高校生だった 天満光


「一等賞ダ~ッシュ!!!」

「天満くん!!」


彼は分け目も振らず、レッスン室を出て廊下を大疾走する。あぁ、椚先生や蓮見先輩に怒られる未来が安易に想像できる。

レッスン室へ早めに来たかと思えばこれだ。きっとジッとしていられないのだろう。


元気がないより、マシだけど。


「お、あんずか。」


途方に暮れていると仁兎先輩が入ってきた。
後ろに他のrabbitsのメンバーもいる。


「すみません、天満くん逃がしちゃいました。」

「あんずさんが謝ることじゃないですよ……」


ため息交じりにそう言う私を、真白くんがフォローしてくれる。


「うぅ…でもこれじゃレッスンできないし、探してくるよ」

「僕達も手伝います!皆で探しましょう!」


紫之くんが愛らしく笑って、そう提案する。

皆それに賛成し、急いで天満くんを探しに散り散りとなった__________



のが、数分前である。

散り散りになってすぐ、私は天満くんを発見した。


グラウンドを、陸上部員と一緒に制服で走り回っている。


呆れた!こんなとこで走り回ってるなんて!!


走りにくい制服のはずなのに、どうしてあんなにはやいのだろう。


「天満くん!」


とりあえず名前を呼ぶが、聞こえていないらしい。

しょうがない。早速最終手段といかせてもらおう。時間は待ってくれないのだ。

私はローファーの爪先をトントンと踏みならし、走り出した。そして先回りをして走り回る彼の目の前にバッと飛び出る。


「わ!ねーちゃん!?」


驚く彼が、急に止まれるわけもなく。
当然、そのままぶつかった。

天満くんと私は、ぶつかった衝撃で転んで1回転する。


「ハイ捕まえた」


お互い、グラウンドの土でドロドロになってしまったが………

彼の捕獲に成功した。




/ 683ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp