第37章 シスコンも大概に 春川宙
「許さないよ」
「そ、そこを何とか……」
皇帝陛下が凍てつく目で私を見下ろしてるぅぅぅぅぅ!!!!!
「え、駄目です?本当に駄目です?」
「駄目」
「兄様、そこを何とか………」
「駄目」
皇帝陛下の眼光が鋭くなる。
嘘、嘘でしょ!?嘘だよね!?
「話は終わりかい?」
「……はい」
「じゃあ、自分の部屋に戻りなさい」
ショボーンとして私は兄様の部屋を出た。
忌々しい、あの皇帝陛下め……!
自分の部屋に戻るやいなや、私はすぐに…彼氏である宙くんに電話した。
スマホは嫌いと言っていたが、家の電話は出てくれる。
『hihi~♪もしもしな~?』
「宙くん聞いてよあの皇帝陛下がね!?」
彼の声がした途端に、私は叫んだ。電話越しに宙くんの悲鳴が聞こえた。
「夏祭りなんて行かせないって言うの、許さないって!」
『皇帝陛下……haha~あんずのお兄さんな~?何で?』
「夜だし危ないし何かあったらどうするのって……何もないよね!?あったとしても宙くん守ってくれるね!?」
『もちろんです!でも、お祭り行けないの残念な~?』
宙くんのシューンと沈んだ声。
そこで私は決意した。
「……お祭りって一週間後だよね?私、頑張ってあの忌々しい皇帝陛下を説得してみせるから!」
『……でも、お兄さんのこと苦手って言ってたな~。無理しないでほしいです!』
「うーん、まあ大丈夫。一応血の繋がった兄妹だし。」
そう言って電話を切った。
全くもう、宙くんにあんな声出されたらやるしかないじゃない。
待ってなさい皇帝陛下…!
すぐにひれ伏せてもらうからっ!!
…………何か、目的変わっちゃった