第36章 恋愛は積極的に 高峯翠
「翠くん」
「………何すか」
「やはり今聞いても良いかね!?君がご機嫌な理由!!」
「何キャラですか」
ハハッと笑う翠くん。
「別に。隊長と話しただけですよ。全部後腐れないからアイツを信じてくれって。」
コソッと耳打ちしてくる彼。
あぁ、なるほど。
「………結局千秋くんに色々持ってかれたね~?あの主人公気質なんとかならんかね~?私もたまには目立ちたいねっ!?」
「だから、何キャラですか。」
またハハッと笑う。
「…………あの」
「何かね南雲くん」
「レッスンの休憩中もいちゃつかないでほしいっす……」
「全くでござる…」
「いちゃついてないよ?」
「うん」
いやいやいや目を覚ましてほしいっす!と南雲くんが叫ぶ
「彼氏の足の間にスッポリ挟まって座る彼女!この光景のどこがいちゃついてないというでござるか!?」
「え~?いーじゃん別に」
「………翠くん今日マジでハイでござる」
ギューッと後ろから抱きつかれる。南雲くんがぬおぉぉ!!とこの世の者とは思えぬ叫び声をあげる。
「ハッハッハッ!!仲が良いなぁ!!」
「隊長殿、何とかしてほしいでござる~!」
「いいじゃないですか、かわいいこうけいです~」
「深海殿~!!」
結局ワチャワチャした。
あんまりレッスン出来なかったなあ………
でもまあ良しとしよう。
翠くんとの距離が、うんと縮まったから。