第5章 Valkyrieでも行き着く先はホッケー
「何か用やのん?あ、飴ちゃん食べる?」
「……うん」
B組に行くと影片くんが出迎えてくれた。飴はイチゴ味だ。
「…ありがとう」
「もっとニッコリしいや…もったいないで。」
むぎゅーっとほっぺをつねられる。
「ほほほほひふひへほふははふ」
「ごめんやん、やめるから普通にしゃべってや。」
パッと解放される。大して痛くもないので特に何も言わない。
「ニッコリしたい」
「ん?」
「………もっとニコニコしたいなぁって最近思う」
キョトンとする影片くん。
「笑わないと嫌われるよーって言われた。誰からとは言わないけど」
「そない言うたかて…現時点で嫌われてへんやん?」
「そうかな」
私は影片くんの言葉に同意できなかった
「本当に…そうかな」
「………ようわからへんけど、そない心配やったらニッコリできるようになろうや!な?」
「でも…どうやったらいいか全然わかんないし…」
影片くんは私の話を最後まで聞かずグイグイと私の手を引っ張った。
「休み時間はまだまだあるし、そんな暗い顔せんでやれることやろうや!!」
てなわけで、影片くん曰く『ニッコリしたいねん計画』が幕を開けた。