第34章 侍系女子と女子力高い男子 鳴上嵐
「姉上ーーー!!」
「颯馬………君、どこにいたんだ。」
「いや、ああいう連中には権力が聞くと思ってだな……蓮巳殿を呼んできたのだ!………って、あやつらは!?」
蓮巳と颯馬に事情を話す。……あぁ、なぜか三毛縞もいる。
「馬鹿か…そんな奴らと話をしようなど何をしているのだ。それに鳴上も、生徒は教室で待機と……」
「あんずさぁぁぁんー!!怪我はないかぁぁ!!!」
長くなりそうな蓮巳の説教を打ち消すように、三毛縞が叫び散らす。
蓮巳が何か言おうとする度に遮ってくるので、鬼の副会長も諦めたようだ。
「……以後気をつけろ。処理はしておく。」
「すまない蓮巳」
特におとがめはなく、それだけ言って去った。………三毛縞に助けられるとは、不覚。
「今回は、颯馬より私が暴走してしまったな。」
「………いつも暴走しているのは我でなく姉上なのだが」
「?何か言ったか?」
「いや、何でもないであるッ!!」
ワタワタする颯馬を見て、三毛縞がゲラゲラ笑う。
「いやぁ、何はともあれ本当に良かったなあ!」
「皆無事だしねえ。あんずちゃんも格好良かったわよ!」
さっきのお返しのつもりか、鳴上がそう言う。
仲むつまじい二人を見て、颯馬が首を傾げる。
どうも仲の良い二人が不思議らしい。なぜか尋ねると……
「二人は姉上を想う恋仇であろう?」
「……………あー…………」
……………………すっかり忘れていた。
ほら、思い出したように二人が迫ってくるではないか。
「あんずちゃん、アタシへの評価は変わった!?」
「もう一度言おう!好きだッ!!」
「あぁもうやめてくれッ!!!して三毛縞、お前だけは絶対ない!!選ぶなら鳴上だっ!!」
「えぇ!?アタシ消去法なの!?」
「俺への扱いひどくないかぁぁ!?」
今回の件で、鳴上は案外格好いいことがわかった。あと、三毛縞も割と………良い奴?だな。
そして、一番は
「…………色恋沙汰は面倒くさい」
「「それを言うのか!?/言っちゃうの!?」」
まぁ、そのうち………この二人も、こんな私には飽きるだろう。
………でもそれまで。
何だか面倒くさくも面白いので、もう少しだけ楽しもう。